財政赤字のエクアドル政府
エクアドル政府は、流動資産を確保する目的で正貨積立の半分以上を3年間ゴールドマン・サックスへ譲渡することに同意した。中央銀行によると、譲渡額は金46.6万オンス(延べ棒1165本)、6月3日時点での現在価格約5億8000万ドルであり、3年後に同価格にて返金されるという。
エクアドル政府は、正貨積立に対する高いセキュリティと流動性、1600万ドルから2000万ドルの利益収入を期待している。また、中央銀行がゴールドマン・サックスに対して運用費用を支払う必要はないという。
(画像はwikipediaより ラファエル・コレア大統領)
5年前の対外債務不履行
エクアドル政府は5年前に約3.2兆ドルの対外債務が不履行となり、中国より11兆ドル以上を借り入れた。それ以来、ラファエル・コレア(Rafael Correa)大統領は、国内・国外にて財政援助を求め続けてきた。
コレア大統領は、今年中にも約7億ドルの対外債務を売却する意向であり、国際通貨基金によるエコノミック・レビューに対して同意しているという。なお、国際通貨基金によるエコノミック・レビューは2008年、2009年の対外債務不履行以来実施されていない。
譲渡に伴う懸念事項
エクアドル政府は、公共支出を融資するために譲渡手続きを使用したと考えられる。
国際金融協会(IIF)エコノミストのマーティン・カステル(Martin Castellano)は、国内通貨として米ドルを使用する場合、エクアドル政府は国際収支問題を避けるために十分な流動資産の換金能力を保証する必要があると述べている。
先週、エクアドル政府からゴールドマン・サックスへの正貨準備が譲渡された。中央銀行は、5月23日時点で正貨準備は6億500万ドルから4億9300万ドルまで減少したと発表した。正貨準備の譲渡により、中央銀行が資金不足に陥ることは明らかである。
ロイヤル・バンクオブ・カナダのジョージ・ゲロ(George Gero)は、正貨準備は巨額の売却であり、金融市場に出回ると市場価格を圧迫する可能性があると警鐘を鳴らしている。

bloomberg
http://www.bloomberg.com/news/2014-06-02/http://www.bloomberg.com/news/2014-06-03/Goldman Sachs
http://www.goldmansachs.com/japan/