世界銀行などへ負債を返済
現在ヘッジファンドと法廷闘争を繰り広げているアルゼンチンは、世界銀行や米州開発銀行(IDB)をはじめとする国際機関に30億ドルの負債を返済したと、8月15日に発表した。
約3200億円の支払いを行うために、外貨準備高に手をつけたとアルゼンチン政府は述べている。
アルゼンチンのこの行動は、アメリカでヘッジファンドと裁判を行っている中での決断。同ヘッジファンドによりアルゼンチンは現在、民間債権者への5億3900万ドルの返済を阻止されてしまっている。
ヘッジファンドとアルゼンチンの争いの経緯
同国はこの借金を7月30日に返済し終えているはずであった。
しかし、アメリカのトーマス・グリーサ判事が、リスクの高い債券の購入を専門とする、NMLキャピタルとアウレリウス・キャピタル・マネジメントというヘッジファンドに対して、13億ドルを先に支払うようアルゼンチン政府に命じた。
8月13日には、JPモルガン・チェース、シティグループ、HSBC、ドイツ銀行の4社が、ヘッジファンドに対してアルゼンチンが負っている13億ドルの債券の購入について交渉したが、失敗した。
14日には、長年ヘッジファンドと争っているアルゼンチン大統領クリスティーナ・キルチネルが、NMLキャピタルに属する、アメリカのドネリーに対し、(アルゼンチンの)「テロリズム対策法」の一環として、法的措置を取ったと述べた。
アメリカの印刷会社ドネリーについて
アルゼンチンは、先週従業員を400人解雇した印刷会社ドネリーを、「詐欺破産」を行っている可能性があると疑っている。
また同国が経済的に危機的な状態であるにもかかわらず、
「混乱の種をまき、経済システムを変化させ、民衆の不安をあおっている」(AFPから引用)
として、同社を非難している。

AFP
http://www.afp.com/fr/