ガソリン価格の値上げ検討は1996年以来
ベネズエラは化石燃料が豊富であり、世界で最もガソリン価格が低いと言われている。
南アメリカ諸国では1ガロン当たりのガソリン価格は約5セント程度である一方、ベネズエラの小売価格は政府価格(対当局取引相場)の約10分の1、1ガロン当たり1ペニー以下となる。
しかしながら、近年、ベネズエラ国内におけるインフレ、日常品不足、経済縮小、外貨準備の減少などの経済問題に伴い、安価なガソリン価格を維持することが困難となってきた。
ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)政権は、ガソリンスタンドにおけるガソリン価格の値上げを検討している。ガソリン価格の値上げは1996年以来初めてとなる。
ガソリン価格の値上げは重要な経済措置であるが、経済闘争は回避できない状況であるという。
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ベネズエラのガソリン事情
ベネズエラはサウジアラビアより豊富な石油備蓄があるのにも関わらず、ウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領政権下やニコラス・マドゥロ政権下での過去15年間、石油採掘・精製に対して過小投資であったため、ガソリン需給量は減少した。
石油精製費用(ガソリン生産費用)はベネズエラ国営石油会社ペトロレス(PDVSA)が負担しているが、多額の負債を抱えており、経営は圧迫されている。
そのため、今後、ガソリンスタンド価格は現状価格より25倍高く設定する必要があると推定される。また、国際市場レートでの売買取引にて負債額を補うことが困難になった場合、現状価格より60倍高い価格設定が必要となるだろう。
現在、ベネズエラは1日当たり6万バレルの精製されたガソリンを輸入している。2007年以来、対中国との石油貿易費は560億ドルにのぼると見積もられている。

NBC NEWS
http://www.nbcnews.com/news/PDVSA
http://ja.wikipedia.org/wiki/OPEC Oil Reserves
http://www.opec.org/opec_web/