産業政策と経済におけるパフォーマンスを主張
10月の選挙で2期目の再選を望むブラジルのジルマ・ルセフ大統領は、日本で言うところの経済団体連合会(経団連)にあたる全国産業連盟(CNI)主催の討論会でルセフ政権における産業政策論争を展開した。
その内容は主に、インフラ整備や政府調達、最低賃金の引き上げといった労働法改正による労働政策といったもの。
ここ数カ月間で、CNIはブラジル経済の悪化を警告しており、2014年の成長率予測は1%減少する事が見込まれている。多くの経済学者たちはブラジル経済が第2四半期の結果を受けて景気後退に陥る可能性を示唆。
ルセフ大統領は現在の経済問題を国際的な危機に起因するものとし、この影響がブラジルに与えたものは最小限であると主張。
また、失業率を5パーセント程度の非常に低い数字にまで下げてきており、経済の拡大は停止していないとして、ブラジルの累積積立金を強調。
政府が国債を通して、産業活動を刺激しているとし、国が生産性における競争力の「新時代」へ向かっていると述べた。
さらに、ルセフ大統領は米国や欧州諸国との二国間関係を構築することの重要性だけでなく、ラテンアメリカや新興諸国との関係の重要性も強調した。
(画像はWikipediaより)Image:
by Valter Campanato/ABr世論調査でルセフ大統領の支持率低下
ブラジルのジルマ・ルセフ大統領の支持率が世論調査の結果、低下する中、経済学者はあまり悲観的な見通しは持っていない。「ルセフ大統領が失脚する可能性が高ければ、ブラジルレアルにとって良い事」という考えだからだ。
ルセフ大統領の政策で利益率が低下した事や、税負担軽減といった有効的な政策はない事などがきっかけで支持率が下がっているとの見方もある。
2011年にルセフ大統領が就任して以来、インフレ率は7月中旬に6.51%にまで加速しており、ブラジルの工業生産は1.4%の下落。ブラジルレアルは今年4.6%反騰している。
また、スタンダード&プアーズ社は、ブラジルの国債の信用格付けを最低レベルのBBB-に引き下げた。
ルセフ大統領の再選への道のりはかなり険しいものとなりそうだ。

Merco Press
http://en.mercopress.com/2014/08/02/Bloomberg
http://www.bloomberg.com/Merco Press
http://en.mercopress.com/2014/08/06/