巨大なロシア市場がラテンアメリカのもとに転げ込む
ロシアはラテンアメリカの食品の輸入量を増やそうと、8月7日から早速交渉を開始した。輸出を増やそうと画策していたラテンアメリカ諸国にとって、このニュースは思わぬ収穫である。
ロシアのチリ大使館の貿易担当であるSebastian Pillado氏は、
「我々に大きなチャンスが舞い込んできました。我が国は、既にロシアにとって食品や飲料の重要な輸入相手国となっていますが、我々は製品の種類や量をさらに増やすことが可能となるかもしれません。
具体的には、我が国の企業とロシアの企業との間で、近々話し合いが行われ、ロシア側が求めている製品の量と価格を考慮して、提携を結ぶつもりです。もしこの提携が長期的なものになれば、我が国の経済と輸出額の上昇に直接的な影響を及ぼすことになります。」(rfiから引用)
と語っている。
ロシア市場の利益は莫大である。同国が世界中から輸入している農業生産物の額は、1月から5月までで、およそ170億ドル(約1兆7300億円)にのぼる。
ヨーロッパにとっては大打撃
2013年に農業生産物において世界第1位の輸出国になってから、ロシア市場を失ったことでEUはアメリカに続く2番目の市場を失ったことになる。EUが生産している農業生産物の輸出先の10%はロシアであり、その額は120億ユーロ (約1兆6300万円)にのぼる。
果物、野菜、肉、乳製品だけでなく、ワインや蒸留酒もロシアへ輸出されるEUの商品の要であった。
これらの商品がヨーロッパの首を絞め、危機的状況を生む可能性がある。最初に犠牲となったのはノルウェー産の鮭である。ノルウェーのオスロ証券取引所では、世界最大のサーモン養殖会社であるマリンハーベストの株価は既に急落してしまっている。
しかしながら、ヨーロッパにとって最も打撃となるのは、ロシア市場をアジアやラテンアメリカにかすめ取られることである。

RFI
http://www.rfi.fr/ameriques/
lesechos.fr
http://www.lesechos.fr/monde/l'express l'expansion
http://lexpansion.lexpress.fr/