ロンドンの高層ビル、ブラジルの富豪が買収
「ガーキン」の愛称で親しまれているイギリスの高層ビル30セント・メリー・アクスが、ブラジルの富豪ジョセフ・サフラ氏率いるサフラグループにより買収されることが10日、明らかとなった。契約に関する詳細な内容は明らかにされていないものの、買収金額についてはおよそ7億ポンド(日本円で約1270億円)にのぼるとみられている。
一度売却も逆戻り サフラ、新オーナーに名乗り上げる
30セント・メリー・アクスは2004年、イギリス・ロンドンでは2番目に高い180メートルの高さを誇る高層ビルとしてオープン。愛称の「ガーキン」は、その見た目が同名のキュウリにそっくりなことから名づけられたものだ。
ガーキンは2007年にドイツのIVG Immobilien AGらが6億ポンドで買収したものの、買収に際し調達した資金を返済できず債務不履行に陥ったため、管財人であるデロイトは新たなオーナーを探していた。
ビルの話題性を重視 収益につなげられるか?
サフラグループは今回の買収に際し、建設から10年たらずでロンドンの顔となったガーキンの象徴性を高く評価。不動産取引を行う企業としての話題性を重視した、戦略的な買収であるとの考えを明らかにしている。
ガーキンは保険会社のスイス・リーをはじめ数多くの企業が軒を連ねる一方、効率性の面で問題も指摘されており、買収については「トロフィーを買うようなもの」(関係者)との声も。サフラグループでは今後同ビルの改善を進め、ビル全体での利益向上に努める構えだ。

サフラグループ ニュースリリース(PR Newswire上)
http://www.prnewswire.com/news-releases/the-safra-group