「ブラジル経済のシンボル」 わずか2年での転落劇
2012年には世界長者番付7位、最も裕福なブラジル人であったエイケ・バチスタ氏が、インサイダー取引の疑いで取り調べを受けている。ブラジル証券取引委員会が4月11日に明らかにした模様。
(画像:Facebookより)
同委員会が報道機関に伝えたところによると、バチスタ氏率いる企業グループ、EBXの幹部による証券取引法違反が疑われており、バチスタ氏からも聴取が行われている。
問題の取引は、2013年5月に行った、EBXのグループ企業である石油採掘会社OGX株の売却。OGX社は同6月に、石油採掘量の見通しを大幅に下方修正し、その結果株価が暴落。同10月には南米で最大規模の経営破綻となった。バチスタ氏はインサイダー取引を否定しており、株の売却は満期に達した債券への支払いのためだったと説明している。
今後の調査の結果、バチスタ氏が刑事告発を受けることになれば、かつてはブラジル起業家のモデルであり、ブラジル経済のシンボルとされた氏に、さらに深刻なダメージを与えることになる。
若くして起業 事業の始まりは金取引
エイケ・バチスタ氏は1956年ブラジル生まれ。1980年代に金とダイヤモンドの取引を始め、23歳の時に金取引会社を設立。その後29歳でアマゾン川に砂金採掘場を建造し、これがのちのEBXグループの元となった。その後EBXグループにはエネルギー、物流、採掘会社などが加わり急成長。2012年の彼の資産評価額は約300億ドル、ブラジルで最も裕福な人物であった。
ところが昨年10月にOGX社が、続いて11月に造船会社のOSX社が経営破綻。その後EBXグループの株価は大幅に下落し、現在は氏の資産はマイナスであると報じられている。

エイケ・バチスタ氏 フェイスブック
https://www.facebook.com/pages/Eike-Batista/178190942201301OGXホームページ
http://www.ogpar.com.br/en/Pages/default.aspx