ブラジルのペトロブラスへ提供のFPSO、石油生産を開始
三井海洋開発株式会社(三井海洋開発)は8日、ブラジルの国営石油開発会社Petróleo Brasileiro S.A.(ペトロブラス)へ向け建造を行っていた浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(Floating Production, Storage & Offloading System、FPSO)がチャーターインし、石油の生産を開始したことを公表した。
巨大油田の開発を担当 20年にわたりサービス提供へ
“FPSO Cidade de Mangaratiba MV24”と名付けられたこのFPSOは、三井海洋開発の子会社Tupi B.V.を通じて受注したもの。1日あたり15万バレルの原油生産能力と28000万立方フィートのガス生産能力、そして約160万バレルの原油貯蔵能力を有している。
同FPSOはブラジル沖合水深約2,200mの海上に係留され、海底下約5,000mの岩塩層直下にあたる層(プレソルト)に存在する巨大油田、イラセマ・スル鉱区の開発に用いられる予定だ。同鉱区は、ペトロブラスら3社によるコンソーシアム(企業連合)が保有しているものとなる。
三井海洋開発は今後、同FPSOについて関連会社を通して保有するとともに、リース及び運転・保守点検等を含むチャーターサービスの提供を、ペトロブラス社に対して今後20年にわたり行う計画だ。
三井海洋開発、ブラジル向けFPSOプロジェクトは9基目
三井海洋開発では2010年、ペトロブラスの保有するLula鉱区でFPSO Cidade de Angra dos Reis MV22が稼働を開始。2013年には同Sapinhoá鉱区においてFPSO Cidade de São Paulo MV23が稼働を開始しており、同社がプレソルト層油田開発用としてFPSOのチャーターを行うのはこれが3基目となる。また今回の生産開始により、同FPSOは同社にとって9基目のブラジル向けプロジェクトとなった。
(画像はニュースリリースより)

三井海洋開発株式会社 ニュースリリース
http://www.modec.com/up_pdf/20141208_pr_iracemasul_jp.pdf