今年中の本格始動へ向けたトライアルを実施
日本電気株式会社(NEC)は22日、通信事業者テレフォニカ傘下のテレフォニカブラジルが、NECの仮想CPE(Virtualized Customer Premises Equipment、vCPE)ソリューションを活用し、商用ネットワークを用いた大規模トライアルを今月より開始すると発表した。
この取り組みはテレフォニカの推進するブロードバンドネットワークサービスの第一段階にあたり、同社では今年中に顧客の拡大を図り、本格的なサービス開始を予定しているとのことだ。
NEC、ブラジル大手との提携で準備進める
テレフォニカブラジルはテレフォニカのブラジル子会社に当たり、同国最大の通信事業者としてモバイルサービスなどを国内全土で提供している。
そのテレフォニカとNECは2013年10月、ブロードバンドアクセスネットワークの簡素化とサービス提供の迅速化を目指し、vCPE領域において協業することでで合意。商用サービスの開始へ向け、共同での準備を進めてきた。
事業者における利便性が向上、顧客にもメリット
今回NECが提供するvCPEソリューションは、ホームゲートウェイ端末側に備わっている各種IP機能を、従来の顧客の宅内ではなく、テレフォニカの局舎内に収めるというものだ。
このソリューションにおいてはIPアドレスの払い出しやセキュリティなどの機能が局舎内のサーバから提供されるため、端末側機能の仮想化がはかられるとともにネットワークの簡素化が可能となり、ブロードバンドアクセスネットワークサービスの運用やメンテナンスにおける利便性が向上するのが特徴だ。
これらによって通信事業者では運用の効率化が可能になるとともに、サービス開発や提供が迅速に行えることで、顧客レベルでも利便性や満足度の向上といったメリットが見込めるという。
NECでは今後もネットワークのソフトウェア制御、およびネットワーク機能の仮想化等で付加価値の高いソリューションを国際的に提供し、新たなビジネスを生み出すとともに通信事業者の競争力向上に寄与していく考えだ。

日本電気株式会社 プレスリリース
http://jpn.nec.com/press/201504/20150422_02.html