航空機バイオ燃料の安定供給に向けて
航空宇宙機器大手のボーイング社と、航空機シェア第4位のエンブラエル社が、持続可能な航空機バイオ燃料の共同研究センターを設立すると発表した。5月12日付のプレスリリースで明らかになった。同センターは、ブラジルのサンホセ・ドス・カンポス・テクノロジーパーク内に開設される予定である。
(画像はプレスリリースより)
同センターの主な研究目標は、航空機バイオ燃料の安定供給技術を確立することにある。バイオ燃料の原料生産、および加工技術が主な研究対象となる。その他、ブラジル国内の各大学や研究機関との共同研究の調整役や資金提供を行う予定とのこと。
ボーイング社環境戦略・統合マネージング・ディレクター、ジュリー・フェルガー氏は、同プレスリリースにおいて以下のように述べている。
“ボーイング社は世界各地において、持続可能な航空機バイオ燃料の供給拡大と、航空機の炭素排出量の削減に積極的に取り組んでいる。当社とエンブラエル社は、航空機バイオ燃料産業をブラジルに創出することに強くコミットしている。“ (同プレスリリースより引用)
ブラジルにおける代替燃料産業の伝統を活かす
また、エンブラエル社エンジニアリング・技術部門の上級副社長、マウロ・カーンは以下のように述べている。
“ボーイング社との共同研究によって、当社が本分野における最先端の研究に貢献することができる。ブラジルには航空機燃料分野の伝統があり、今後、バイオエネルギーの研究が広がる大きなポテンシャルがある。” (同プレスリリースより引用)
航空機バイオ燃料の安定供給が実現すれば、炭素排出量を従来の化石燃料より50から80パーセント削減することが可能になると見られている。
ボーイング社は、世界各国の航空会社や研究機関と協力し、バイオ燃料の共同研究を積極的に行っている。2012年には、低炭素エネルギー事業会社のマスダールほか数社と共同で、「持続可能なバイオエネルギー研究コンソーシアム」(Sustainable Bioenergy Research Consortium)を設立し、バイオ燃料の原料生産などの研究を行っている。

ボーイング社プレスリリース
http://boeing.mediaroom.com/サンホセ・ドス・カンポス・テクノロジーパーク
http://www.pqtec.org.br/en/