コロンビア大統領選の投開票結果
5月26日、フアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)現大統領の任期満了に伴う大統領選挙が行われ、現大統領を含め5人が立候補した。
投開票の結果、フアン・マヌエル・サントス現大統領(中道右派連立の党首)とオスカル・イバン・スルアガ(Oscar Iván Zuluaga)元財務相の一騎打ちとなった。
Ipsos-Napoleón Francoが投票前に実施した世論調査によると、支持率はサントス大統領が28.5%、スルアガ元財務相が29.5%であるという。6月15日の決選投票にて決着がつく。なお、大統領選候補者は以下5人である。
【大統領選候補者】・フアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)
コロンビア現大統領(第57代)
・オスカル・イバン・スルアガ(Oscar Iván Zuluaga)
アルバロ・ウリベ(Alvaro Uribe)前大統領が率いた民主中道運動(右派)、ウリベ政権の元財務相
・クララ・ロペス(Clara López)
PDA党(左派)、支持率10.1%
・マルタ・ルチア・ラミレス(Marta Lucía Ramírez)
保守党、ウリベ政権の元国防相、支持率9.7%
・エンリケ・ペニャロサ(Enrique Peñalosa)
前ボゴタ市長、支持率9.4%
(画像はwikipediaより サントス大統領)
サントス政権
サントス政権下での経済・社会指標はポジティブである。経済成長率は4.3%であり、失業率は少なくとも2000年以降、最も低い数値まで減少した。また、インフレーションは60年間で最も低い。
一方、一連の反社会派運動(コロンビア革命軍など)に対する政策は高く評価できるものではないという。政治評論家のエルナンド・シオボールド(Fernando Giraldo)は、サントス大統領はコミュニケーション能力に欠ける部分があるため、リーダーに適していないと分析している。
サントスの選挙政策とスルアガの選挙政策
フアン・マヌエル・サントス現大統領は、コロンビア革命軍(FARC)との和平交渉の進展を主な選挙政策として掲げている。
しかしながら、ボゴタ・政治学大学学長マルセラ・プリエト(Marcela Prieto)は、国民は和平交渉の進展よりも雇用(失業率)、教育、健康保険、犯罪について懸念していると指摘している。
オスカル・イバン・スルアガ元財務相は、コロンビア革命軍(FARC)が一方的休戦・停戦を受け入れるまで和平交渉は延期すべきとの立場である。
決選投票にむけて
5月16日、コロンビア革命軍は一連の麻薬取引を断絶し、政府と共に麻薬栽培農家(主にコカイン)に対して支援すると約束した。コロンビア革命軍と政府間において、コカイン栽培農家に対する農業改革、政権関与、麻薬取引などに関する協議事項が決定した。
コロンビア大統領選の決選投票結果を左右する決定的な要因は、コロンビア革命軍との和平交渉政策であると言っても過言でない。6月15日の決選投票にむけ、選挙キャンペーンは加熱している。

The guardian
http://www.theguardian.com/LAC REPORT
http://lacreport.com/一般社団法人ラテンアメリカ協会
http://latin-america.jp/archives/1354