提携に向けてようやくその気になったメルコスール
チリのバチェレ大統領の要請で6月20日に行われた第9サミットにおいて、太平洋同盟と南部共同市場(メルコスール)の2大南米貿易グループ間の提携が提案されている。
これに対し、太平洋同盟側は経済統合による相乗効果が得られることから、統合に関して既に前向きな姿勢を見せているが、メルコスール側は、太平洋同盟を地域統合のパートナーになると見る一方、メルコスールの保護主義政策の立場から、2圏間の明らかな主義の違いによる分裂を懸念していた。
しかし、地域のより広い発展のため、メルコスール指導者達は太平洋同盟の重要性に気付き、対話を求めてきている。
太平洋同盟とメルコスール、深まるギャップ
経済統合に向けて歩み寄りを見せ始めた太平洋同盟とメルコスールだが、積極的に経済の自由化を模索し、開放経済政策で目覚ましい発展を遂げている太平洋同盟に対し、メルコスールはマクロ経済政策の課題に直面しており、その保護主義政策が原因で、欧州連合(EU)との自由貿易協定交渉も進展していない状況である。
メルコスールの決定は全会一致でなければならず、これまでブラジルやアルゼンチンがそれを妨げてきた。
2圏の2013年における貿易輸出額の差を比較すると、約1358億ドルの違いが見られ、2014年の国内総生産(GDP)の成長率においては、太平洋同盟の4%に対し、メルコスールは1%強に留まっている。
異なる見解を一致させる事は非常に難しいところだが、2圏間の提携はこれまでで一番スマートな決断といえるかもしれない。
太平洋同盟がこの最大の脅威に対し、どう緊張を和らげていくのかが注目される所である。

Merco Press.
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