2014年と2015年の経済成長見通しを引き下げ
第1・四半期以上に経済活動の衰えが顕著であるため、ブラジルのエコノミストらは2014年と2015年の経済成長見通しを二週間連続で引き下げた。
6月6日にエコノミスト100人を対象に実施した銀行調査によると、2014年の経済成長見通しは1.44%(前週調査は1.5%)、2015年は1.8%(前週調査は1.85%)に引き下げられた。2014年の見通しは2度目、2015年は3度目の縮小となり、ブラジル中央銀行が調査を始めて以来、最も低い数値となった。
(画像はwikipediaより)
ブラジル経済の現状
第1・四半期において、ブラジル国内総生産(GDP)は前期より1.9%上昇した。(季節調整値0.2%拡大)農業は3.6%増加した一方、投資は2.1%、消費は0.1%減少した。経済成長率は投資の減速や生産減により0.2%増であり、昨年第4・四半期0.7%増より半減となる。
Bloombergがエコノミスト22人を対象に独自調査を行ったところ、工業生産は3月より2カ月連続低下で4月は0.3%の縮小、4月の小売は0.5%縮小した前月と比べると0.1%の上昇だったという。
また、エコノミストはブラジル拡大消費者物価指数(IPCA)を今年終わりに6.47%、来年は6.01%から6.03%の間で僅かに上昇すると予測している。経常勘定赤字見通しは80兆ドルであり、今年の貿易黒字は3兆ドルから2.25兆ドルまで減少するとの見通しである。
政策金利Selic
ブラジル中央銀行は2013年4月から今年4月まで9回連続で金利を引き上げてきたが、借入金が375ベーシスポイント(3.75%)増加したため、5月28日、政策金利「Selic」を11%に据え置くと発表した。
国家統計局の発表によると、5月のブラジル消費者物価は前月より0.46%上昇したという。中央銀行は年間インフレ率を4.5%、プラスマイナス2%を目標としている一方、5月の年間インフレ率は前月6.28%より6.37%まで跳ね上がった。
経済成長の鈍化により、5月まで4カ月連続で上昇し続けている年間インフレーションの抑制は不可能であった。
金利の据え置きに関して声明文では「現時点では」と言及しているが、エコノミストはインフレ抑制のため来年末の政策金利を12%と予想している。

Bloomberg
http://www.bloomberg.com/news/Marketwatch
http://www.marketwatch.com/Brazil Central Bank
http://www.bcb.gov.br/?ENGLISH