オムロン、ブラジルのネブライザメーカーを買収
オムロンヘルスケア株式会社(オムロン)は2日、ブラジルのネブライザメーカーであるNS Industria de Aparelhos Medicos Ltda.(NS)の買収を発表した。今月1日にNSの株式を100%取得することで合意が成立し、来月1日をもってすべての手続きを完了する。
需要見込めるブラジル オムロン、売上高100億円目指す
呼吸器疾患の患者が薬剤等を吸入する際に用いるネブライザは、ブラジルにおいては医療関係者のみならず一般家庭にも広く普及。同国内におけるネブライザ市場は、世界全体のおよそ17%を占める最大級の規模となっている。
この魅力的な市場に参入すべくオムロンは2008年に営業拠点を構えたものの、輸入手続きや税率等に関する課題が浮上。これら課題を解決すべく現地企業との協力を模索しており、今回のNS買収はそうした体制作りの一環とみられる。
NSはブラジルのネブライザ市場第一位の40%にのぼるシェアを誇り、開発からアフターサービスまでを一貫して手掛ける企業だ。オムロンでは今回の買収で現地生産による輸入経費の削減を図るとともに、NSのネットワークを活用した商品販売を進め、2017年には同国での売上高100億円突破を目指したいとしている。
オムロン、ブラジルをネブライザ開発拠点に
ブラジルを含む新興国各国では近年、経済発展に伴う生活習慣の変化や大気汚染などと関連して、生活習慣病を含む呼吸器疾患の患者数が増加傾向にある。
オムロンではこうした背景をふまえ新興国における呼吸器疾患関連事業に力を注いでおり、今後の市場成長が見込めるブラジルも注目国の一つであるという。同社では今後NSとの生産ノウハウの統合を進め、ブラジルを同社ネブライザの世界的な開発拠点に育てていく方針だ。

オムロンヘルスケア株式会社 ニュースリリース
http://www.omron.co.jp/press/2014/09/h0902.html