大塚製薬、子会社通じブラジル企業買収
日本の大塚製薬は28日、フランスの子会社ニュートリション エ サンテ(N&S)を通して、ブラジルの食品会社であるJasmine(ジャスミン)の買収に成功したことを明らかにした。
健康/機能性食品大手のジャスミン、合併で強化狙う
ジャスミンはブラジル南部のクリチバ市に拠点を構える健康/機能性食品会社。2012年の集計では同分野における国内最大手の座に輝いている。
1990年に設立された同社は、1993年に全粒粉のミューズリー(シリアル食品の一種)、2007年には糖尿病患者向けの全粒粉ビスケットをそれぞれブラジルでは初めて発売するなど、先進的な取り組みで注目を集めてきた。
今後ジャスミンでは主にN&Sとの協力を深め、N&Sのグルテンフリー食品やオーガニック食品などをブラジル国内で販売するほか、両社共同での商品開発にも取り組む予定だ。
ジャスミンのCEOクリストフ・アレン氏は今回、N&Sと価値観を共有できたことが合併の決め手になったと説明。N&Sとの提携で商品ラインナップを強化し、国内市場での立ち位置をより確かなものにしたいとの意気込みを語った。
大塚製薬、独自コンセプトを世界へ発信
大塚製薬では、日々の生活に栄養をうまく取り入れ健康の維持増進に努めるニュートラシューティカルズという概念を提唱。1982年の香港および台湾進出を皮切りに、世界各国で関連事業の展開を進めている。
同社がニュートラシューティカルズ関連事業を南米で手掛けるのは今回が初となる。ブラジルでは著しい経済発展と併せて健康関連の市場も伸びを見せており、同社によればオーガニック食品市場では今後、1年当たり17%ものの伸びが予想されているという。
大塚製薬では今回のジャスミン買収をきっかけとしてブラジルにおける体制作りを進め、同国および南米全体の市場での展開を目指していきたいとしている。

大塚製薬:ニュースリリース
http://www.otsuka.co.jp/company/release/2014/0828_01.html