テレフォニカ、ブロードバンド通信のGVT買収
スペインの通信会社テレフォニカは19日、ブラジルのブロードバンド事業者GVTの買収を発表した。買収総額はおよそ70億ユーロにのぼるとみられており、テレフォニカでは同社のブラジル部門にあたるテレフォニカ・ブラジルへの増資を通じて資金を調達する見込み。
親会社通じ買収 条件は現金と株式
今回の買収契約は、テレフォニカとGVTの親会社であるフランスのビベンディとの間で結ばれたもの。テレフォニカによると契約は現金の授受と株式のやり取りによりもので、同社はビベンディに4億6630万ユーロの現金を支払う。
また株式の面では、テレフォニカ・ブラジルとGVTの統合で生まれる新会社におけるビベンディ資本の4.5%と引き換えに、テレフォニカの保持するテレコム・イタリアの株式5.7%を提供する予定となっている。
テレフォニカ、ブラジルでライバルに並ぶ
GVTはブラジル国内21の州で約1000万家庭を結ぶ広大な大容量ネットワークを有しており、顧客の総数は250万人を超えるとされる。買収によって誕生する新たなテレフォニカ・ブラジルはこうしたネットワークを手中に収めることとなり、ブラジルでの大幅なシェア拡大が進むものとみられる。
ブラジルではブロードバンド市場のシェアを巡ってアメリカのモビルなど競合各社が火花を散らしており、現在モビルのブラジルにおけるシェアは32%。今回のGVT買収によりテレフォニカのブラジルにおけるシェアはおよそ30%に達することが予想され、ライバルに肩を並べる形となった。

テレフォニカ プレスリリース
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