塩湖からリチウム生産 開所式には両国代表が出席
豊田通商株式会社(豊田通商)は4日、出資先のSales de Jujuy S.A.(サレス・デ・フフイ)を通して、アルゼンチン・フフイ州のオラロス塩湖におけるリチウムの本格生産を開始したと公表した。
開始に当たり現地のリチウム工場では開所式が開かれ、豊田通商アルゼンチン社長の田中一臣氏ら日本側の関係者をはじめ、フフイ州知事のフェルナー氏など現地政府の関係者らも顔を揃えた。
2010年に事業スタート 4年越しで本格生産へ
サレス・デ・フフイは、オーストラリアのOrocobre Limited(オロコブレ)が66.5%、次いで豊田通商が25%の出資を行っているアルゼンチンのリチウム開発事業会社だ。豊田通商ではこのオロコブレと2010年、現地でのリチウム資源の開発に向けた調査に着手。
2012年には現地州政府から許認可を受けるとともに採掘権を取得し、翌2013年にはリチウムの精製工場を建設するなど、本格生産へ向けた準備を進めてきた。
豊田通商、世界各国への販売に向け体制固める
豊田通商による今回のリチウム生産事業は、アルゼンチンにおいて日本企業が関与するものとして初のケースだ。また同社では工場から生産される炭酸リチウムについて、100%の販売代理権を取得している。
同社によれば炭酸リチウムの需要は今後増加することが予想されており、サレス・デ・フフイでは年間17500トン(炭酸リチウム換算)の生産を目指すとともに、来年1月の日本初出荷へ向けて稼働を進めるという。同社ではこの日本向け販売をはじめ、世界各国をターゲットにした供給体制の構築を目指したいとしている。
(画像はプレスリリースより)

豊田通商株式会社 プレスリリース
http://www.toyota-tsusho.com/press/detail/141204_002708