JOGMECとJICA、ペルーの休廃止鉱山環境改善に関し合意
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は26日、独立行政法人国際協力機構(JICA)とペルーにおける休廃止鉱山環境改善事業に関して協力を行うことで合意し、連携協力覚書を締結したと発表した。
周辺環境への悪影響防ぐ事業に、JOGMECの知見を提供
休廃止鉱山環境改善事業は、義務者の存在しない休廃止鉱山を対象にペルー政府が実施しているものだ。同事業では同国に存在する休廃止鉱山のうち、自然環境や地域住民へのリスク等を元に対策の優先度が高い鉱山をピックアップし、環境整備を実施している。
JOGMEC とJICAは今回の覚書に基づき、同事業に際してJOGMECの鉱害防止分野における知見を活用、これを後押しする計画だ。
JOGMEC、実績活かした環境対策を実施へ
鉱業国のペルーは日本にとって、亜鉛や銅、鉛といった金属類の供給元として重要な地位を占めている。しかし近年においては、過去の鉱山開発における問題や鉱害の発生が顕在化。鉱業プロジェクトの多くで地域住民の反対活動に直面するなど課題も多いのが現状だ。
JOGMECではこうした同国において、日本での鉱害防止業務における経験を活かした人材派遣やセミナー・研修を実施。同国における持続可能な鉱業活動の支援を目的とした各種協力事業に取り組んできた。
またJOGMECではこれら活動と並行して、鉱害防止に関する法整備やその実施へ向けた体制づくり、鉱害発生源やその汚染状況に関する調査などを進めてきた。こうした取り組みにより、JOGMECはぺルー政府が対策を行う休廃止鉱山を選定する上で、その優先度づけに貢献してきた実績を有している。
JOGMECでは今回、両機関が協力してペルーを支援することで休廃止鉱山における環境対策を推進し、持続可能な鉱業活動と日本へ向けた鉱物資源の安定供給につなげたいとしている。

独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 ニュースリリース
http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_10_000177.html