前年度比で5億ドルの伸び
2014年におけるチリのサーモン輸出額が40億ドルを突破し、2013年の35億ドルからおよそ5億ドルの伸びを見せたことが分かった。現地で猛威をふるっていた疫病の流行に歯止めがかかったことなどが要因とみられている。
諸要因により生産・輸出増
現地の業界関係者によれば、2013年に約79万トンであったサーモンの生産量は2014年には約80万トンに到達、現在銅に次ぐ同国2番目の輸出産物であるという。
こうした生産の伸びには、2007年から2010年にかけて流行していたISAウィルスが一定の終息を見せたことが背景にあると考えられている。ウィルスが猛威をふるった約4年間では、生産および輸出においておよそ50億ドルの損失が発生していた。
こうした疫病の発生を受けて現地の業界では各種メソッドや衛生環境の改善が進められるとともに、市場における平均価格も徐々に上昇。こうした各種要因が生産増を後押ししたものと考えられている。
また昨年10月末の段階において、同国にとって最大のサーモン輸出国は米国で、その割合は33%、続く日本が22%、ブラジルが13%となっている。この主要貿易相手国である米国との間でドル高ペソ安の状況にあったことも、輸出の伸びに対してプラスに作用したようだ。
2015年は落ち込みか 関係団体予測
一方でこうした好況は長続きしないとの見方も浮上しており、市場関連団体のSalmonExは昨年11月、2015年における同国の生産量は79万トン台に戻るとの予測を発表。これに伴い、同国産サーモンの価格指数についても落ち込みがみられるものとしている。

SalmonEx
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