4月中に株式80%超を取得へ
不二製油株式会社(不二製油)は13日、ブラジルのチョコレート会社HARALD INDÚSTRIA E COMÉRCIO DE ALIMENTOS LTDA.(Harald)の株式を取得し、子会社とすることを発表した。
同社では今年4月中に、グループとしてHaraldの発行済み普通株式83.3%を取得。残りの持分は、現株主でHarald のCEOを務めるErnesto Neugebauer氏が引き続き保有する。
ブラジル最大手Harald、油脂技術に長けた不二製油
Haraldはブラジル最大手の業務用チョコレート製造企業で、大手製菓・製パン会社や各種小売店、ホテル・レストラン等幅広い販売ネットワークを持つほか、国内のベーカリー約7万店を顧客とするなど、同国において圧倒的なシェアを誇る。
また同社では多岐にわたる製品の製造・販売を手掛けており、ブランドとしても確かな地位を築いているのが特徴だ。
一方の不二製油は、植物性油脂に関する長年の研究開発で培った油脂技術を基盤に、業務用チョコレート製品やクリーム製品等を日本国内外で幅広く展開。海外市場においても積極的な事業展開やM&Aなどを通し、グローバルな経営体制の確立を目指してきた。
不二製油の技術・製品をHaraldへ注入
今回不二製油はHaraldを子会社化することで、ブラジルの業務用チョコレート市場を拠点に、経済成長著しい中南米をターゲットとした戦略を強化する構えだ。
具体的には、同社が得意とする油脂技術をHaraldに導入し、チョコレートの機能を向上させることで、今まで以上に高機能・高品質なチョコレート製品を展開。
さらに、同社製品のうち製菓・製パン向け製品などチョコレート以外の製品を、Haraldの販売網とブランド力を利用して売り込み、顧客満足度を高めていく。
同社ではこれら施策によって新たな市場を創出し、現在の市場における地位をさらに高めるとともに、Harald製品のブランド力を強化することで他社に差をつけたい考えだ。
子会社化ののちも、両社の利益を尊重へ
不二製油ではブラジルについて、南米最大の人口の元、引き続いての経済成長が期待できるほか、チョコレート市場においてはアメリカ、ドイツに次ぐ世界第3位の市場規模であると分析。また文化・習慣面においてもチョコレートが身近な国であり、今後もチョコレート市場の著しい成長が期待できるとしている。
そのブラジルにおいて同社は2010年、グローバル経営推進の一環としてFuji Oil South Americaを設立。油脂製品の販売等を通じ、ブラジルでの事業拡大に取り組んできた経緯を持つ。
同社では株式取得・子会社化の後もHaraldの現経営陣を据え置く方針を明らかにしており、今後もHarald側の立場を尊重しつつ、両社の利益創出に努める考えだ。

不二製油株式会社 ニュースリリース
http://www.fujioil.co.jp/fujioil/news/pdf/150313.pdf