サービス提供は今年2月に開始済み
日本通運株式会社(日通)は20日、小口貨物をブラジル・サントス港経由でブラジル各地に輸送する、日本初となる海上混載一貫輸送サービスの「ブラジルダイレクト混載」を、今年2月から開始したことを明らかにした。
従来の経由地・シンガポールを介さない輸送に変更
これまでブラジル向けの小口貨物を日本から輸送する場合、日通では一度貨物をシンガポールへ輸送し、現地法人のシンガポール日通を通じてブラジル・サントス港向けのコンテナへ積み替えたのち、ブラジルまで届ける方法を採用していた。
一方今回の新サービス「ブラジルダイレクト混載」では、横浜と東京、名古屋、神戸の各拠点で集荷した貨物を横浜港に集約。船積みを行った貨物はブラジル・サントス港へダイレクトに届けられ、その後現地の配達先まで一貫して輸送を行う仕組みとなっている。
輸送時のリスク軽減と安定したスケジュールを実現
この新サービスでは日本からブラジル・サントス港までコンテナの積み替えが行われないため、積み替えで貨物へダメージが生じる可能性を減らすことに成功。
またサントス港到着後は、輸入通関手続きと国内配送を現地法人のブラジル日通が請け負うスムーズな輸送体制を取ることで、安定したスケジュールの提供も合わせて実現している。
これに加えて新サービスでは、従来少量の場合でもコンテナ単位で輸送していた燃焼性、腐食性などの特性を有する危険品についても引き受け可能で、これら危険品を輸送する場合輸送コストの大幅な削減が見込まれるとのことだ。
日通、増加見込みのブラジル向け需要に対応
日通では1979年にブラジルで現地法人を設立し、現在では国内に8拠点を構える。同社によれば、これは日系企業としては最大の規模であるという。
そのブラジルでは近年、日系企業の進出が相次いでいる他、2015年の外交関係樹立120周年、そして2016年のリオデジャネイロオリンピックを控え、今後イベント事業やインフラ関連輸送の需要が増加することが予想されている。
同社ではこれら背景を踏まえ、今後も高品質な輸送サービスの開発・提供に取り組み、ブラジルへ進出する顧客のニーズに対応していきたいとしている。

日本通運株式会社 ニュースリリース
http://www.nittsu.co.jp/press/2015/20150320-1.html?link=top