日本とチリ、共同声明へ署名　ICT分野の協力拡大へ南米ニュース

日本とチリ、共同声明へ署名　ICT分野の協力拡大へ

　2015年5月17日 07:15　

日本の総務副大臣とチリの運輸通信省大臣が接触

総務省の西銘総務副大臣は今月5日から10日にかけて、南米・チリへの訪問を実施した。西銘副大臣は日本の官民ミッション団の団長としてチリ政府主催のICTイベントへ参加した他、チリ運輸通信省のゴメス・ロボ大臣と会談し、共同声明への署名を実施した。

地デジ日本方式からはじまった関係、さらなる拡大へ

チリは2009年、地上デジタル放送導入に際して日本方式（ISDB-T）を採用しており、日本とチリは地デジ分野において協力を深めている。

これを踏まえ、今回の西銘副大臣とチリ運輸通信省ゴメス・ロボ大臣との会談では、地デジ分野での協力強化はもちろん、協力範囲を通信衛星やデジタル網整備等の分野へ拡大していくことで合意。ICT政策に関する対話の開催等を含むICT協力共同声明に署名した。

関係発展へ向けた各種具体案で合意

共同声明において、両国はまず地デジ分野における協力関係の継続を確認。チリ国内放送局が行う関連機材調達とそれに関するファイナンス支援スキームの整備を共有課題とし、解決へ向けた取り組みを進めるとした。

これに続く形で、防災及び災害時対応向けの通信システムや光ファイバーを活用した高速インターネット網の整備をはじめ、サイバーセキュリティやデジタルコンテンツまでを含めたICT分野全般へ提携範囲を広げていくことを明記。

提携範囲のさらなる拡大を含めた今後の協力を約束するとともに、第3者となる団体の参入など、発展的な展開における枠組みについても合意がなされた。

総務省、チリ運輸通信省と協力した取り組みへ

また声明において、両国はICT分野を一つの軸とした交流を積極的に進めていくことでも合意。使節団の派遣や専門家による作業部会の設置等を通じて交流を促すとともに、それぞれの国内法にのっとった形で、両国の企業や組織間のビジネス関係拡大を支援していくものとした。

今後総務省ではこれら共同声明の合意事項に基づき、両国でのICT官民共同プロジェクトの実現へ向け、チリ運輸通信省と協力しての取り組みを進める方針だ。