ブラジルにおける砂糖・エタノール関連産業の回復
民間の格付機関であるフィッチ・レーティングス(本拠地はイギリス・ロンドンとアメリカ・ニューヨーク)は、砂糖価格の上昇傾向により、ブラジルにおける砂糖・エタノール関連産業のキャッシュ・フローが改善すると発表した。
また、回復の程度に限界はあるものの、信用情報・信用状態の回復も見込まれるという。
ブラジルは世界最大の砂糖生産・輸出国である。近年、砂糖・エタノールの主な生産地であるブラジル中南部における深刻な日照り、燃料価格の急騰を理由に、ブラジルの砂糖・エタノール関連企業に対する投資額が縮小し、多くの企業の経営状態が悪化していた。
国際市場における砂糖取引量
エルニーニョ現象によりインドやタイの砂糖輸出量が減少し、資金不足によりブラジルの砂糖・エタノール産業は生産能力拡大が困難であった為、国際市場における砂糖の取引量は落ち込み、2011年と並ぶ最低量となった。(2016年5月末時点)
砂糖の国際価格は上昇し、2016年4月には前年比13%増となった。
ブラジルの砂糖・エタノール関連企業は、経営状態の悪化により経営戦略を大幅に変更した。ブラジル最大の砂糖輸出企業は、サトウキビの収穫期初期に、砂糖の輸出量が例年の50~70%になると発表した。
現在、砂糖の国際価格は僅かながらも下がったという。
安定的なエタノール価格
砂糖価格とは異なり、エタノール価格は安定しているという。2016年4月以降、ガソリン価格の下落に伴い、エタノール価格は12%減となっている。

Business Wire
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